体の側面に10〜20個の黒い円形・楕円形の斑点が横一列に並ぶ——シマドジョウの名前はそのままこの縞模様に由来しています。砂の中にもぐったり、底面をちょこちょこと動き回ったりする愛らしい姿が人気で、川魚初心者から上級者まで幅広い層に親しまれている種類です。日本固有種ならではの渋い美しさと、手軽に飼育できる丈夫さが魅力です。
シマドジョウはコイ目ドジョウ科ドジョウ属に属する川魚で、学名はCobitis biwaeです。生息地は山口県西部・四国の南西部を除く日本各地の淡水域で、流れの緩やかな川の底砂に潜んでいます。日本の固有種として生態系を支える大切な存在です。
シマドジョウとは

シマドジョウの最大の特徴は体の側面に10〜20個の黒い円形・楕円形の斑点が横一列に並ぶ縞模様です。体型は細長くニョロニョロとしており、口の左右にそれぞれ3本ずつ、計6本のヒゲを持っています。体色は淡い黄褐色〜灰褐色を基調とし、腹部はやや白みがかっています。
この縞模様には個体差や地域差が非常に大きく、同じシマドジョウでも生息地によって斑点の形・大きさ・並び方がかなり異なります。近縁種のスジシマドジョウが「直線状のスジ」を持つのに対し、シマドジョウは「点(斑点)の列」が特徴で、見分けるポイントになります。底砂の中に潜る習性があり、砂から鼻先だけ出している姿はシマドジョウ飼育の醍醐味のひとつです。
砂の中にスッと体を滑り込ませ、目だけをひょっこり出してこちらを見つめる——スジシマドジョウのその仕草を一度見たら、思わず顔がほころんでしまいます。体の側面に走る細かな斑点の列が「スジ(筋)」のように見えることがこの名の由来で、よく見ると[…]
シマドジョウの飼い方
丈夫で環境への適応力が高く、川魚の中でも比較的飼いやすい種類です。まず基本スペックを確認しましょう。
| 項目 | 目安・詳細 |
|---|---|
| 最大体長 | 約6〜9cm |
| 寿命 | 約3〜5年(飼育環境により変化) |
| 水温 | 5〜25℃(最適:15〜22℃) |
| pH | 6.5〜8.0(弱酸性〜弱アルカリ性) |
| 推奨水槽 | 45〜60cm(砂に潜れるスペースが必要) |
| 底砂 | 細かい砂(川砂・田砂)を5cm以上の厚さで敷く |
| ヒーター | 基本不要(室内の自然水温でOK) |
| 難易度 | ★☆☆☆☆(底砂の選択が最大のポイント) |
水質は弱酸性〜弱アルカリ性(pH 6.5〜8.0)と幅広く対応できます。日本の川魚なのでヒーターは基本不要ですが、夏の28℃超えには注意が必要です。最大のポイントは底砂の選択で、細かい川砂や田砂を5cm以上の厚さで敷くことが必須です。砂に潜れない環境ではストレスで消耗してしまいます。大磯砂など粒の大きい砂利は不向きです。フィルターは外掛け式やスポンジフィルターで穏やかな水流を維持しましょう。餌は沈下性の川魚用フードや冷凍赤虫が適しています。
水槽などの、入れ物に金魚などを入れておくと次第に、病原菌や汚れのもとが繁殖し始めます。それを、少しでも抑えるために今回はフィルターの説明をしていきたいと思います。フィルター・ろ過器の役割1.病原菌などを少なくしてくれる[…]
混泳させる際のポイント

シマドジョウは温和な性格で、他の魚を攻撃することはほとんどありません。底層を主な生活圏とするため、中層・上層を泳ぐ魚とは自然に棲み分けができます。食べ残しの餌や底面の微生物を食べてくれるため、水槽の掃除役としても優秀です。ただし、口に入るサイズの小さな魚や稚魚は捕食してしまう場合があるため注意が必要です。
混泳に向いている種
- タナゴ類(シロヒレタビラ・カゼトゲタナゴなど) ─ 底層と中層で棲み分けができる
- モツゴ・イトモロコ ─ 穏やかな性格で争いになりにくい
- アブラハヤ・カワムツ ─ 同じ環境を好む川魚で共存しやすい
- ヒドジョウ・マドジョウ ─ 同じドジョウ科で相性がよい
- メダカ(成魚) ─ サイズに余裕があれば問題なし
要注意の種
- 稚魚・小型のエビ類 ─ 口に入るサイズは捕食される場合がある
- 金魚(大型) ─ 金魚がシマドジョウの餌を横取りするケースがある
混泳を避けたほうがいい種
- ヨシノボリ・オヤニラミ ─ 縄張り意識が強く、底層のシマドジョウが攻撃を受け続けてしまう
- ナマズなど大型肉食魚 ─ 捕食される危険がある
土管や石の隙間に頭だけ出してこちらをじっと見つめる——マドジョウのそのとぼけた表情に、思わず笑みがこぼれた経験のある人は少なくないはずです。「ドジョウ」と聞いて最初に頭に浮かぶ姿がそのままマドジョウで、金魚すくいや縁日で馴染み深い川魚で[…]
産卵についてのポイント
産卵のタイミングと婚姻色
シマドジョウは自然界では5〜7月頃に産卵します。増水によって形成された浅瀬や川の緩やかな流れの縁などに、直径2〜4mmほどの卵を水草や砂底の根元付近に産み付けます。産卵期のオスには体側のオレンジ色が鮮やかになる変化が見られ、これがシマドジョウの婚姻色のサインです。孵化した稚魚は約2年で成魚になります。
産卵〜稚魚育成の流れ
飼育下での繁殖は難易度が高めですが、環境を整えることで挑戦できます。産卵には浅瀬を模した環境が必要で、水位を下げた別水槽や産卵専用水槽を用意するのが基本です。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 産卵環境の準備 | 水位を5〜10cm程度に下げた浅めの産卵専用水槽を用意。細かい砂を薄く敷き、ウィローモスやマツモを配置する |
| 2. 産卵 | 水温が20℃前後になる5〜7月に産卵。水草の根元や砂底付近に直径2〜4mmの卵を産み付ける |
| 3. 孵化・稚魚期 | 産卵後2〜4日で孵化。稚魚は非常に小さいため、インフゾリア(ゾウリムシ)や市販の稚魚用フードを与える |
| 4. 稚魚の隔離育成 | 産卵を確認したら親魚を別水槽に移す。稚魚が1cm程度になったらブラインシュリンプや冷凍赤虫(細かく刻む)を与える |
グリーンウォーターは、青水と呼ばれることもある水が緑色になる現象です。金魚を含めた観賞魚を飼育していると、どの水槽でも起こりうる現象です。今回は、グリーンウォーターのメリットと対処法について説明していきます。グリーンウォータ[…]
シマドジョウを飼う際の注意点

① 底砂は必ず細かい砂を使う
シマドジョウは底砂に潜る習性があり、砂に潜れない環境ではストレスで体調を崩してしまいます。川砂・田砂・ボトムサンドなど粒径0.2〜0.5mmの細かい砂を5cm以上の厚さで敷いてください。粒の大きい大磯砂や砂利は不向きです。
② フタを必ず設置する
ドジョウ類は飛び出し事故が非常に多い魚です。少しの隙間からでも飛び出してしまうため、フタは必須です。エアチューブやコードの隙間も塞いでおきましょう。
③ 夏の高水温に注意する
28℃を超えると酸欠になりやすく危険な状態になります。夏場はファン式クーラーや遮光シートで水温管理を徹底し、エアレーションを強めに設定して溶存酸素を確保してください。
④ 野外放流は絶対に行わない
飼育個体を川や池に放流することは生態系を破壊する行為であり、絶対に行わないでください。遺伝子汚染や外来種問題に繋がる危険があります。
⑤ 底砂の定期的なメンテナンスを行う
細かい砂の底面には汚れが溜まりやすく、放置すると嫌気層(酸素のない層)が発生して有害な硫化水素が出ることがあります。2〜3か月に1回、プロホースなどで底砂の汚れを吸い出すメンテナンスを心がけましょう。
かかりやすい病気と対策・予防
シマドジョウは丈夫な種類ですが、底砂の汚れや急激な水温変化があると病気にかかりやすくなります。代表的な病気と対処法を知っておきましょう。
白点病
体や鰭に白い小さな点が現れ、底砂や壁面に体をこすりつける仕草が見られます。水温の急変・導入時のストレスで発症しやすくなります。
- 治療:水温を25〜28℃にゆっくり上げながら、市販の白点病治療薬(グリーンFクリアーなど)で薬浴する
- 予防:新しい魚を導入する際は別水槽で1〜2週間トリートメントを行い、水温変化を緩やかにする
尾ぐされ病
尾びれや鰭の端が白く溶け始め、進行するとボロボロになります。カラムナリス菌の感染が原因で、水質悪化や傷口から侵入します。
- 治療:塩浴(0.5%程度)+グリーンFゴールドなどの抗菌薬で薬浴する
- 予防:定期的な水換えと底砂のメンテナンスで水質を清潔に保つ
水カビ病
体に白い綿のようなものが付着します。底砂との摩擦による傷口から発症しやすく、水温低下時に出やすくなります。
- 治療:グリーンFやメチレンブルーによる薬浴
- 予防:底砂の粒を細かく保ち、傷を作らないようにする。水温を安定させる
松かさ病(エロモナス感染症)
鱗が逆立ち体が松かさのように見えます。治癒が難しいため早期発見が重要です。
- 治療:グリーンFゴールドやパラザンDによる薬浴
- 予防:定期水換えと底砂の汚れ除去で免疫力を維持する
病気を防ぐ基本ケア
- 週1回・1/3程度の定期水換えで水質悪化を防ぐ
- 新規導入時は必ず別水槽で1〜2週間トリートメントを行う
- 底砂の汚れを定期的に除去し、嫌気層の発生を防ぐ
推奨飼育セットの提案
シマドジョウを快適に飼育するためのおすすめ器具セットを紹介します。底砂への潜砂行動を妨げない構成が最重要ポイントです。
| カテゴリ | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 水槽 | 45〜60cm(フタ必須) | 砂に潜るスペースを確保。飛び出し防止フタも必ず |
| フィルター | 外掛け or スポンジフィルター | 水流を穏やかに設定。底面フィルターは砂が詰まるため不向き |
| 底砂 | 川砂・田砂・ボトムサンド(5cm以上) | 粒径0.2〜0.5mm。潜砂行動に欠かせない最重要アイテム |
| エサ(主食) | 沈下性の川魚用フード・ドジョウ用フード | 底面生活のため沈下性タイプが必須。浮上性フードは食べ損ねる |
| エサ(補助) | 冷凍赤虫・冷凍ミジンコ | 嗜好性が高く、繁殖前のコンディション向上にも効果的 |
| 水草 | アナカリス・マツモ・ウィローモス | 隠れ場所の確保と産卵床を兼ねる。根が少なく底砂を荒らさない |
| エアポンプ | 小型エアポンプ+エアストーン | 夏の高水温時の溶存酸素不足を防ぐために重要 |
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よくある質問(FAQ)
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まとめ
シマドジョウは体の側面に並ぶ黒い斑点模様が特徴的な、日本固有の川魚です。丈夫で幅広い水質・水温に対応でき、温和な性格から混泳もしやすい種類です。底砂に潜る愛らしい習性は、観察していて飽きない魅力があります。
飼育のポイントは細かい底砂の確保・飛び出し防止のフタ・夏の高水温対策・底砂の定期メンテナンスの4点です。これらをしっかり押さえれば、初心者でも長期間健康に飼育できます。
底砂から鼻先だけ覗かせるシマドジョウの姿は、川魚水槽ならではの愛らしさです。ぜひじっくりと観察を楽しんでみてください。
水槽の底をニョロニョロと這い回る、鮮やかなオレンジ色の小さな体——ヒドジョウは見た瞬間に「これは何の魚?」と思わず目が止まってしまう不思議な魅力を持っています。ドジョウといえば地味な茶色というイメージがありますが、ヒドジョウはその常識を[…]







