スーッと水中を斜めに漂うように泳ぐ、細長いシルエット——水槽の中でその動きを目にした瞬間、思わず「あの魚、なんだろう?」と引き込まれてしまった方も多いのではないでしょうか。それがペンシルフィッシュです。その名の通り「鉛筆」のように細長い体を斜め上に向けてゆらゆらと漂う姿は、カラシン系の中でもひときわ個性的で、一度見たら忘れられない印象を残します。
ペンシルフィッシュは、カラシン目レビアシナ科ナノストムス属に分類される熱帯魚です。学名は Nannostomus beckfordi(ナノストムス・ベックフォルディ)が代表的で、「ナノストムス」はギリシャ語で「小さな口」を意味します。原産地は南アメリカのアマゾン川・ネグロ川流域で、木々に覆われた薄暗い水辺や弱酸性の黒水(ブラックウォーター)環境に生息しています。体の側面に走る黒と金のラインはシンプルながらも洗練された美しさで、どんな水槽レイアウトにも自然に溶け込みます。ネオンテトラやカージナルテトラといった人気のカラシン系と一緒に泳がせると、その独特なシルエットがより際立ち、水槽全体に奥行きと動きが生まれます。
この記事をまとめると
- ペンシルフィッシュは初心者でも飼いやすい穏やかな熱帯魚だが、弱酸性の水質維持とヒーター管理が長期飼育のカギ
- 温和な性格で混泳向きだが、縄張り意識の強い魚・大型魚との混泳は厳禁
- 繁殖は水草の葉裏への産卵タイプ。稚魚は親魚から隔離して育てると生存率が上がる
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Qu'est-ce qu'un poisson-crayon ?

ペンシルフィッシュの体長は約4〜6cmで、カラシン系の中でも特に細長いシルエットが際立ちます。体の側面には黒い太いラインと金色のラインが一本ずつ走り、シンプルながらも洗練された印象を与えます。背ビレや尾ビレには赤みが乗る個体も多く、角度によって輝きが変わるのもこの魚の魅力のひとつです。ネオンテトラやグローライトテトラのような「派手な発色」とは方向性が異なりますが、その分どんな水槽にも自然に溶け込み、他の魚の美しさを引き立てる「脇役の名手」とも言える存在です。
ペンシルフィッシュの最大の特徴は、水中を斜め上に傾いたまま漂うように泳ぐ独特の姿勢です。この泳ぎ方は、まるで鉛筆を斜めに持って文字を書く動作に似ていることから「ペンシルフィッシュ」という名前の由来になりました。水流の穏やかな場所でゆらゆらと漂う姿は、見ているだけで心が落ち着くような独特の雰囲気があります。夜間になると体色が変化し、昼間とは異なる黒い縦縞や斑点模様が現れる「夜色(ナイトカラー)」を見せることもあります。これは野生での擬態・捕食者対策と考えられており、観察していると昼と夜で別の魚のように見えることもあります。
飼育アドバイス:ペンシルフィッシュは専門店でも「地味な魚」と思われがちですが、実際に水槽に入れてみると独特の泳ぎ方と夜色の変化に驚く方がとても多いです。じっくりと楽しめる魚なので、ぜひ一度その存在感を体感してみてください。
ペンシルフィッシュの成り立ち・歴史
ペンシルフィッシュが属するナノストムス属は、19世紀から20世紀初頭にかけて南アメリカ探検の過程で西洋の学者たちに発見・記載されました。属名「Nannostomus(ナノストムス)」はギリシャ語で「小さな口」を意味し、1876年にギュンター(Günther)によって命名されました。代表種であるNannostomus beckfordi(ベックフォードペンシルフィッシュ)は1895年に記載されており、20世紀中頃からアクアリウム用の観賞魚として世界中に輸出されるようになりました。
日本では高度経済成長期(1960〜70年代)に熱帯魚ブームが到来し、ネオンテトラやグッピーとともにペンシルフィッシュも広く知られるようになりました。その特徴的な斜め泳ぎと細長いシルエットは「見たことのない不思議な魚」として当時の飼育者を驚かせたといいます。その後、カラシン系の多彩な種類が次々と輸入されるようになっても、ペンシルフィッシュは独特の個性ゆえに廃れることなく現在も根強いファンを持ち続けています。
ナノストムス属にはペンシルフィッシュの名で親しまれる種が複数存在します。代表的なものとしてN. beckfordi(ベックフォードペンシルフィッシュ)、N. marginatus(ドワーフペンシルフィッシュ・体長2〜3cmの超小型種)、N. trifasciatus(スリーライン・ペンシルフィッシュ)、N. eques(ホッケーペンシルフィッシュ・特に斜め姿勢が顕著)などがあります。専門店では単に「ペンシルフィッシュ」として販売される場合もありますが、それぞれ体色・サイズ・性質が若干異なるため、購入時に種類を確認するとより楽しめます。
飼育アドバイス:「ペンシルフィッシュ」とひとことで言っても複数の種類が流通しています。ドワーフペンシルフィッシュは2〜3cmと非常に小さいため、エサの大きさや混泳相手に特別な配慮が必要になります。購入時には店員さんに種類を確認してみましょう。
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Comment élever un poisson-crayon
飼育の基本をしっかり押さえれば、ペンシルフィッシュは初心者の方でも長く楽しめる熱帯魚です。水質・水温・エサ・フィルターのポイントを順を追って見ていきましょう。
基本スペック一覧
| 項目 | 目安・詳細 |
|---|---|
| 学名 | Nannostomus beckfordi(代表種) |
| 分類 | カラシン目 レビアシナ科 ナノストムス属 |
| 原産地 | 南アメリカ(アマゾン川・ネグロ川流域) |
| 体長 | 約4〜6cm(飼育環境により変動) |
| 寿命 | 約2〜3年(適切な管理で延長可) |
| 適水温 | 24〜28℃(推奨:26℃前後) |
| 適pH | 5.5〜7.0(弱酸性〜中性) |
| 水硬度(GH) | 2〜10dGH(軟水〜中程度の硬水) |
| 推奨水槽 | 30〜60cm水槽(複数飼育なら45cm以上を推奨) |
| filtre (notamment appareil photo) | スポンジフィルターまたは外部式フィルター(水流弱め) |
| chauffe-eau | 必要(26℃固定式を推奨) |
| alimentation | 人工フレーク・冷凍アカムシ・ブラインシュリンプ |
| 難易度 | ★★☆☆☆(初心者向け) |
表に関する補足
上の表に収まらなかった飼育上の重要ポイントをまとめます。ペンシルフィッシュはpH5.5〜7.0の幅広い水質に対応できますが、本来の生息地であるアマゾン川・ネグロ川は腐葉土から溶け出したタンニンにより弱酸性(pH6.0〜6.5前後)の環境です。長期飼育・繁殖を目指す場合は弱酸性寄りに維持するとより調子が上がりやすくなります。水道水は日本の多くの地域で中性〜弱アルカリ性のため、ブラックウォーターを目指す場合はピートモスや市販のブラックウォーター添加剤を活用するとよいでしょう。
また、ペンシルフィッシュは口が非常に小さいという特徴があります。「ナノストムス(小さな口)」という学名がそのまま体を表しており、大きすぎるエサは食べられないか飲み込もうとして詰まらせることがあります。フレークフードは細かく砕いて与えるか、小粒タイプを選ぶようにしましょう。
水槽の選び方
ペンシルフィッシュの飼育には30cm〜60cmの水槽が適しています。1〜3匹程度の少数飼育であれば30cmキューブや30cm規格水槽でも対応できますが、本来の泳ぐ姿を楽しむためには45cm以上がおすすめです。ペンシルフィッシュは水面から中層付近を好んで泳ぐため、横幅があるほうが自然な行動範囲を確保できます。また、ジャンプ力はそれほど高くありませんが念のためフタ付きの水槽を選ぶと安心です。水草をレイアウトに取り入れると、隠れ場所ができてストレスが減り、色も出やすくなります。初めて熱帯魚を飼う方には、フィルター・照明・ヒーターがセットになった水槽セットから始めると失敗が少なく、コストも抑えられます。
飼育アドバイス:水槽はできれば最初から45cm以上を選ぶのがおすすめです。小さい水槽は水量が少ないぶん水質が急変しやすく、初心者の方ほど管理が難しくなりがちです。
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60cm水槽・上部フィルター「デュアルクリーン」・LEDライトがひとまとめになったオールインワンセットです。「何を買えばいいかわからない」という初めての方でも届いたその日から水槽の立ち上げに取り掛かれます。デュアルクリーンは物理ろ過と生物ろ過の二段階に対応しており、ペンシルフィッシュを複数匹まとめて飼う水槽でも安定したろ過能力を発揮します。LEDライトはペンシルフィッシュの黒・金ラインと水草の緑を自然な色調で引き立ててくれます。
フィルターの選び方
ペンシルフィッシュは水流が弱い環境を好みます。強い水流が常にある状態では体力を消耗しやすく、体調を崩す原因になることがあります。そのため、フィルターはスポンジフィルターか、水流を絞れる外部式フィルターがベストです。スポンジフィルターはエアーポンプと組み合わせて使うシンプルな構造で、ろ過バクテリアが住み着きやすく生物ろ過能力が高いのが特長です。稚魚や小型魚を吸い込まない点でも安心です。外部式フィルターは静音性が高く、水草水槽との相性も抜群です。付属のシャワーパイプを壁面に向けるなどして水流を分散させると、ペンシルフィッシュにとって快適な環境になります。
飼育アドバイス:上部フィルターや外掛けフィルターを使う場合は、排水口にスポンジや分水器を取り付けて水流を弱めてあげると、ペンシルフィッシュがのびのびと泳ぐようになりますよ。
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Comment choisir un appareil de chauffage
ペンシルフィッシュは熱帯性の魚ですので、国内での飼育では冬場にヒーターが必須です。適水温は24〜28℃で、26℃前後が安定して調子のよい温度帯です。水温が20℃を下回ると活動量が落ち、免疫力が低下して病気にかかりやすくなります。ヒーターは水量に合わせて容量(ワット数)を選びましょう。30cm水槽(約13L)なら50Wクラス、60cm水槽(約57L)なら150〜200Wクラスが目安です。初心者の方には温度設定が不要な固定式ヒーターが使いやすくおすすめです。
飼育アドバイス:ヒーターは一度故障すると水温が急落して魚が全滅するケースもあります。長く使っているヒーターは定期的に交換するか、予備を1本用意しておくと安心です。
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エサの選び方
ペンシルフィッシュは口が小さいため、細かいサイズのエサを用意することが重要です。市販の熱帯魚用フレークフード(細かく砕いて与えるか小粒タイプを選択)を基本食として、週に数回冷凍アカムシや冷凍ブラインシュリンプなどの生餌系エサを与えると体色がより鮮やかになり、繁殖のコンディション作りにも役立ちます。エサを与える回数は1日1〜2回で、2〜3分で食べきれる量が目安です。残ったエサは水質悪化の原因になるため、スポイトなどで取り除きましょう。
飼育アドバイス:ペンシルフィッシュは水面や中層でエサを探す習性があるので、沈みにくいフレークフードが向いています。沈んだエサをなかなか食べにいかない子もいるので、食べ残しには注意してあげてください。
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世界中のアクアリストに長年愛用されている定番フレークフードです。細かいフレーク状になっており、ペンシルフィッシュのような口の小さな熱帯魚にも食べやすいサイズ感です。消化吸収がよく水を汚しにくいため、水質管理の面でも優秀。ビタミン・ミネラルのバランスも整っており、これ一種類でも十分な栄養を補えます。
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Points à prendre en compte pour autoriser la natation mixte

ペンシルフィッシュは基本的に温和で争いを好まない性格です。他の魚に対して積極的に攻撃を仕掛けることはほとんどなく、穏やかな性格の種類との混泳に非常に向いています。ただし逆に、縄張り意識の強い魚や肉食性の強い魚と同居させると、ペンシルフィッシュ側が一方的に追い回されたり、傷つけられたりすることがあります。また、ペンシルフィッシュのオス同士は時に縄張り争いをすることもあるため、1匹だけ飼うか、複数飼う場合は3匹以上でスクールを作らせるほうが安定します。
混泳に向いている種
- ネオンテトラ ─ 温和な性格でサイズもほぼ同等。カラシン同士の組み合わせは定番中の定番
- カージナルテトラ ─ 同じアマゾン川流域出身で水質の好みも近く、非常に相性がよい
- グローライトテトラ ─ 穏やかな性格で体色の対比も美しく、混泳水槽を華やかに彩る
- ハチェットフィッシュ ─ 水面付近を泳ぐため、中層で泳ぐペンシルフィッシュと水槽の使い方が自然に住み分けられる
- コリドラス系 ─ 底層を泳ぐ底物魚で、ペンシルフィッシュの活動域と重ならず相性良好
- ヤマトヌマエビ・ミナミヌマエビ ─ 水槽の掃除役として活躍。体格差が大きければ捕食リスクも低い
- アフリカンランプアイ ─ 穏やかな性格の小型卵生メダカ。弱酸性の水質を好む点でも相性がよい
要注意の種
- ベタ ─ オス同士の闘争本能が強く、ペンシルフィッシュのヒレをかじる可能性がある。混泳させる場合は広い水槽で隠れ場所を確保する
- スマトラ ─ ヒレをかじる習性があるため、フィン齧られリスクが高い。特にペンシルフィッシュのような長いヒレを持つ魚との相性は要注意
- ゴールデンハニードワーフグラミー ─ 気性が穏やかとされるが、個体によっては縄張り意識を持つため経過を観察する
混泳を避けたほうがいい種
- エンゼルフィッシュ(成魚) ─ 成長すると15cm近くなり、ペンシルフィッシュを捕食するリスクが高い。幼魚時代は問題ないケースもあるが体格差が出たら分ける
- オスカー ─ 肉食性が強く、ペンシルフィッシュは捕食対象になる。同居させると食べられてしまう
- ディスカス(成魚) ─ 大型シクリッドで縄張り意識が強く、小型魚を追い回す可能性がある
- スネークヘッド ─ 強い肉食性を持ち、ペンシルフィッシュほどの小型魚は捕食対象となる
飼育アドバイス:ペンシルフィッシュは混泳向きと言っても、同じカラシン系でも体格差が大きい種類や口の大きな種類とは相性が合わないことがあります。購入前に少しだけ混泳相手の性格を調べておくとトラブルが減りますよ。
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Points clés sur le frai
オス・メスの見分け方と産卵のサイン
ペンシルフィッシュを繁殖させるには、まずオス・メスを見分けることが必要です。オスは体の模様(黒ライン・金ライン・赤の発色)がはっきりと出ており、全体的に締まったスリムな体型をしています。一方、メスは発色がやや薄く、抱卵すると腹部がふっくらと丸く膨らんできます。繁殖のサインとして、オスがメスを追いかけ回す行動(求愛行動)が見られたり、体色がより鮮やかに発色するようになります。水温を1〜2℃上げ(26〜28℃程度)、その後大量換水を行うと産卵を誘発できる場合があります。
ペンシルフィッシュは水草の幅広い葉の裏側に1粒ずつ卵を産みつける「植物性産卵」タイプです。産卵後は親魚が卵や稚魚を食べてしまうことがあるため、産卵確認後は卵のついた水草ごと産卵箱や別水槽に移すか、親魚を元の水槽に戻すことが稚魚の生存率を高めるポイントです。アマゾンソード・ウォーターウィステリア・ナヤスなど葉の広い水草があると産卵床として機能します。
産卵〜稚魚育成の流れ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 産卵準備 | 水温を26〜28℃に設定し、水草(広葉タイプ)を豊富に入れる。水換え(30〜50%)で産卵を誘発 |
| 2. 産卵・孵化 | 水草の葉裏に1粒ずつ産卵。産卵確認後、水草ごと別水槽へ移すか親魚を元水槽に戻す。約2〜3日で孵化 |
| 3. 稚魚の初期育成 | 孵化後4〜5日で泳ぎ始め、インフゾリア(ゾウリムシ等の微細生物)や市販の稚魚用フードを与える。ブラインシュリンプのノープリウス幼生も有効 |
| 4. 成長・切り替え | 2〜3週間で体長5〜7mm程度に成長。細かく砕いたフレークフードに徐々に切り替えていく。1〜2ヶ月で親魚と同じ水槽に合流可能 |
飼育アドバイス:稚魚はとても小さく、通常のフィルターに吸い込まれてしまいます。稚魚育成中はスポンジフィルターを使うか、フィルターの吸水口にスポンジカバーを取り付けると安全です。
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A quoi faut-il faire attention lorsque l'on élève des poissons-crayons ?

水質の急変に注意する
ペンシルフィッシュは水質の急激な変化に対して敏感な面があります。新しい水槽に導入するときは必ず水合わせ(点滴法がベスト)を丁寧に行いましょう。水換えも一度に大量に行わず、1回あたり全水量の20〜30%を目安に、週1〜2回のペースで行うと水質が安定しやすくなります。
エサは細かく・少量ずつ与える
ペンシルフィッシュは口が非常に小さい魚です。大粒のエサを与えると食べられずに底に沈んで水質悪化の原因になります。フレークフードは手のひらで細かくしてから投入するか、小粒タイプを選ぶようにしましょう。冷凍アカムシも大きいものは半解凍状態でカットしてから与えると食べやすくなります。
水流を強くしすぎない
本来は流れの穏やかな水辺に生息するペンシルフィッシュにとって、強すぎる水流は大きなストレスになります。フィルターの排水口の向きや流量を調整して、水槽内に穏やかな水流を作りましょう。特に稚魚や幼魚の時期は水流の影響を受けやすいため要注意です。
飛び出し事故を防ぐ
ペンシルフィッシュは驚いたり追いかけられたりした際に水面から飛び出すことがあります。水槽には必ずフタをして、フタと水槽の間に隙間がある場合はネットや隙間塞ぎのスポンジで補強しましょう。特に夜間の急な光・音・振動には要注意です。
同種オス同士の過度な争いに注意する
オスは特に繁殖期に縄張り意識が高まり、追いかけ合いが激しくなることがあります。傷ついた個体は感染症にかかりやすくなるため、争いが止まらない場合は隔離するか、水草・流木で隠れ場所を増やして視線を遮るレイアウトに変更しましょう。
かかりやすい病気と対策・予防
ペンシルフィッシュは比較的丈夫な熱帯魚ですが、水質や水温が不安定になると病気にかかりやすくなります。代表的な病気と対処法を知っておきましょう。
la tache blanche (infection à protozoaires des poissons d'eau douce)
体表に白い粒状の斑点が現れる最も一般的な熱帯魚の病気です。白点虫(Ichthyophthirius multifiliis)という寄生虫が原因で、水温の急変や水質悪化で発症しやすくなります。
- 治療:メチレンブルーやグリーンFクリアーを規定量添加。水温を28〜30℃に上げて寄生虫の増殖を抑える
- 予防:水温を一定に保つ(26℃固定)、定期的な水換えで水質を維持する
おすすめ(白点病・治療薬)
日本動物薬品 アグテン ── 白点病・ベルベット病に効果的な定番治療薬
マラカイトグリーンを主成分とする白点病・ベルベット病(コショウ病)の専用治療薬です。水草や底砂に影響が少なく、ペンシルフィッシュのような小型魚にも比較的安全に使いやすいのが特長です。規定量を守って薬浴を行うと数日で白点が消え始め、進行を止めることができます。初期症状で素早く対処するほど完治率が上がります。
maladie du chou-fleur
ヒレの端が白くにじんで溶けるように欠けていく病気です。カラムナリス菌(Flavobacterium columnare)という細菌が原因で、傷口や免疫低下時に感染しやすくなります。
- 治療:グリーンFゴールド(フラン剤)やエルバージュエースを規定量添加。薬浴を1週間程度行う
- 予防:水質を清潔に保ち、フィルターのメンテナンスを定期的に行う。混泳による傷を防ぐ
おすすめ(尾ぐされ病・治療薬)
日本動物薬品 エルバージュエース ── 細菌性感染症に効く強力な魚病薬
エルバージュ(エンロフロキサシン)を主成分とする強力な魚病薬で、尾ぐされ病・口ぐされ病・エロモナス感染症に広く対応します。少量で高い効果を発揮するため、計量を正確に行うことが重要です。薬浴中は遮光して使用し、規定の薬浴期間を守ることで効果を最大限に引き出せます。細菌性の病気に悩んだときの頼れる一本です。
moisissure de l'eau
傷口や免疫力が低下した部位に白い綿状のカビが付着する病気です。サプロレグニア属の水生菌が原因で、外傷のある個体に二次感染しやすい病気です。
- 治療:メチレンブルー水溶液やグリーンFで薬浴。患部を綿棒で優しく拭き取る処置も有効
- 予防:傷つけない混泳構成にする、水温を安定させる、底砂の汚れを定期的に吸い出す
おすすめ(水カビ病・治療薬)
日本動物薬品 新グリーンFクリア ── 白点病・水カビ病に対応する透明タイプの治療薬
水を着色しない透明タイプの魚病薬で、白点病・水カビ病に効果を発揮します。従来のグリーンF系と異なり水槽の水が緑色に染まらないため、鑑賞しながら治療を続けられるのが大きなメリットです。ペンシルフィッシュのような体色の薄い魚や、水草レイアウトを崩したくない場合に特に重宝します。
la maladie de la pomme de pin
鱗が逆立ってまるで松かさのように見える病気です。エロモナス菌(Aeromonas hydrophila)が内臓に感染することで起こり、発症すると完治が難しい重篤な状態です。
- 治療:グリーンFゴールドリキッドや観パラDを使った薬浴・薬餌療法を早期に開始する。発症初期ほど治癒の可能性が高い
- 予防:水質管理・栄養バランスのよいエサを与えて免疫力を維持する。ストレスを与えない飼育環境を整える
おすすめ(松かさ病・エロモナス感染症 治療薬)
日本動物薬品 グリーンFゴールドリキッド ── エロモナス感染症・松かさ病に対応する液体魚病薬
フラン系薬剤を主成分とした液体タイプの魚病薬で、松かさ病(エロモナス感染症)や穴あき病など細菌性の内臓疾患に対応します。液体タイプなので計量しやすく、正確な薬浴濃度を保ちやすいのが特長です。松かさ病は進行が早く重篤になりやすいため、鱗の逆立ちを発見したら迷わず早期投薬を開始することが回復のカギです。
病気を防ぐ基本ケア
- 週1〜2回の定期的な水換え(1回20〜30%)と底砂掃除でアンモニア・亜硝酸の蓄積を防ぐ
- 新しく購入した魚は必ずトリートメント(別水槽での薬浴・観察)を1〜2週間行ってから本水槽に導入する
- 病気が発生したらすぐに隔離水槽に移し、本水槽への感染拡大を防ぐ
おすすめ(水質調整・コンディショナー)
Tetra パーフェクト ウォーター ── カルキ除去から水質調整まで一本でこなす万能コンディショナー
水換え時に必要なカルキ抜き(塩素除去)はもちろん、重金属の無害化・pH安定・粘膜保護成分の補給まで一本でまかなえる総合コンディショナーです。ペンシルフィッシュのような繊細な熱帯魚の導入時や換水時に使うことで、水質ショックによるストレスを大幅に軽減できます。毎回の水換えのたびに使うことが「病気予防」の最も手軽で確実な習慣になります。
推奨飼育セットの提案
ペンシルフィッシュを始めるにあたって必要な器具を一覧にまとめました。予算や水槽サイズに合わせて参考にしてください。
| カテゴリ | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| réservoir d'eau | 45〜60cm規格水槽 | 水量が多いほど水質が安定し、ペンシルフィッシュが伸び伸び泳げるため |
| filtre (notamment appareil photo) | スポンジフィルターまたは外部式フィルター | 水流が弱めで小型魚・稚魚を吸い込まない安全設計のものが最適 |
| chauffe-eau | 26℃固定式オートヒーター(水槽サイズに合ったW数) | 熱帯魚には必須。設定不要の固定式が初心者に扱いやすい |
| 照明 | LEDライト(水草育成対応タイプ) | ペンシルフィッシュの体色を美しく見せ、水草の成長も助ける |
| alimentation | 小粒フレークフード+冷凍アカムシ(補助食) | 口が小さいため小粒タイプが必須。生餌系は体色アップと繁殖促進に効果的 |
| 底砂 | ソイル系(弱酸性化)またはシンプルな細目砂利 | ソイルは水質を弱酸性に安定させる効果があり、ペンシルフィッシュの本来の好む水質に近づけられる |
| station d'épuration | アマゾンソード・ウォーターウィステリア・アヌビアス・ナナ | 葉が広い水草は産卵床としても機能し、隠れ場所にもなってストレス軽減に役立つ |
| Produits chimiques | グリーンFクリアー・グリーンFゴールド・メチレンブルー | 白点病・尾ぐされ病・水カビ病の常備薬として手元に置いておくと発症時に素早く対処できる |
飼育アドバイス:薬品は「何かあってから買いに行く」では対応が遅れがちです。白点病・尾ぐされ病用の薬を1本ずつ手元に置いておくだけで、いざというときに素早く対処できて魚を助けられる確率がぐっと上がります。
「フィルターって、どれを選べばいいの?」――アクアリウムを始めようとすると、必ずこの壁にぶつかります。外部式・上部式・投げ込み式・底面式・スポンジ式……種類が多すぎて、どれが自分に合っているのかわからない。「とりあえず安いやつを買ったら[…]
よくある質問(FAQ)
「水槽って、どれを選べばいいの?」——アクアリウムを始めようとした瞬間、多くの方がこの壁にぶつかります。ホームセンターやアクアショップに足を運ぶと、小さなコンパクト水槽から迫力ある大型水槽まで、サイズも形状も素材もバラバラ。値段の差もか[…]
まとめ
ペンシルフィッシュは、水中を斜めに漂う独特の泳ぎ方と、黒・金の洗練されたラインが魅力のカラシン系熱帯魚です。派手な体色ではありませんが、その個性的なシルエットはどんな水槽にも自然に溶け込み、他の魚の美しさを引き立てる「名脇役」として長年愛されてきました。夜間に体色が変わる「ナイトカラー」など、知れば知るほど奥深い魅力を持つ魚でもあります。
飼育のポイントをまとめると、弱酸性の水質(pH5.5〜7.0)と26℃前後の安定した水温の管理、水流を弱めたフィルターの選択、口のサイズに合った小粒エサの使用、そして温和な性格の魚との穏やかな混泳環境の整備が長期飼育のカギです。ネオンテトラやカージナルテトラとの相性は抜群で、「アマゾン川の自然を切り取ったような水槽」を楽しみたい方にとって、ペンシルフィッシュは欠かせない存在です。
ペンシルフィッシュは、知れば知るほど「渋い魅力」があふれてくる熱帯魚です。はじめはシンプルに見えるその姿が、泳ぎ方・夜色・繁殖行動と、飼い込むほどに新しい発見を与えてくれます。水槽の中に「ひとつの物語」が生まれる感覚——ぜひペンシルフィッシュとの暮らしを楽しんでみてください。
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