シロヒレタビラの特徴と飼い方

シロヒレタビラは、愛知県に広がる濃尾平野や滋賀県から大阪府に流れる琵琶湖淀川水系に生息しているコイ目コイ科タナゴ属で、銀白色を基調として体の後方に青緑色と薄紫色の縦筋を持ち背ビレと腹ビレと尻ビレの縁が白色に発色する川魚になります。今回はそんなシロヒレタビラの特徴と飼い方を詳しく説明していきたいと思います。

シロヒレタビラとは

シロヒレタビラは、コイ目コイ科タナゴ属に属しています。シロヒレタビラの生息地は、岐阜県から愛知県に広がる濃尾平野や滋賀県から大阪府に流れる琵琶湖淀川水系や岡山県にある高梁川水系より東の山陽地方になります。またシロヒレタビラは日本の固有亜種に属します。また場所によっては絶滅危惧種になっている種類になります。シロヒレタビラは、側扁しており体高が少し高く平べったい体型をしています。シロヒレタビラの体色は、銀白色を基調として体の後方に青緑色と薄紫色の縦筋があります。また背ビレと腹ビレと尻ビレの縁が白色に発色します。

シロヒレタビラの飼い方

シロヒレタビラは、飼育の仕方さえ知っていれば飼育は簡単な種類になります。シロヒレタビラの寿命は、約2〜3年になります。また、体の大きさは約8〜10cmになります。ただし、寿命も体の大きさも飼育する環境やエサなどによって変化します。水質は弱アルカリ性から中性を好み、pHであれば7.0～8.0を特に好みます。水温は、5～25℃の間であれば生きることが出来ます。

混泳させる際のポイント

混泳について、まずシロヒレタビラの性格は臆病な性格をしています。そのため他のタナゴ類や小さな小魚とも混泳させる事ができます。ただし産卵を考えている場合には同じタナゴの仲間でも小型の種類との混泳を控えるようにしてください。それは繁殖時期になると二枚貝に産卵しますがお互い産卵したい場合にケンカすることが多く小型の種類がうまく繁殖できない可能性があるからです。また臆病な性格なのでいきなり電気を付けた時や、急に近づいて大きな音を出した時に驚いて暴れる事があるので注意が必要です。

産卵についてのポイント

シロヒレタビラを飼育していると繁殖させたいと思う方も少なくありません。シロヒレタビラは、自然界であれば春頃産卵します。飼育している場合には、水温が20度前後になったタイミングが産卵の合図になります。産卵の時期になると、オスは腹ビレと尻ビレの外側の縁は白くなりそれ以外は黒色になります。また背中側には濃い青色を発色させ、腹部側に薄いピンクを帯びます。メスは、卵管と呼ばれる黒い管を尻付近から伸ばします。
タナゴは、メダカや金魚のような他の観賞魚が水草に産卵するのに対して二枚貝に卵を産み付けます。この産卵方法は、タナゴの繁殖に挑戦する上で最大の壁になります。それは、水草と違って二枚貝という生き物を飼育しなければいけないからです。もし、タナゴが産卵した二枚貝が卵が孵化する前に死んだ場合には卵も一緒に死んでしまうからです。また、二枚貝を取り扱っている専門店が水草などに比べて少ないのも苦労するポイントです。タナゴの産卵用の二枚貝として用いられる種類として、マツカサガイ、ドブガイ、カワシンジュガイ、イシガイなどがあります。分からない場合には専門店などで聞いてみるのをオススメします。タナゴを繁殖させたい場合には、まず二枚貝を探す所から始まります。
二枚貝が水槽の中に入っていると、メスは卵管を用いて貝のエラに卵を産み付けます。オスはメスが卵を産み付けた直後に精子をかけて受精させます。産卵してから約3～4日程度で孵化し、1週間程でヨークサック（親からもらった栄養）を消費し、20日程度で1cm程度に成長して、貝から出てきます。この時に稚魚のヒレに貝の子供が付いていることがあリます。タナゴが貝を利用するように、貝もタナゴを利用して生息域を広げるような関係性で成り立っています。卵を産み付けた後の二枚貝をオスが守る事がありますが、稚魚が食べられる事が多いので、水槽などで飼育している場合には産卵を確認したら貝だけを別の水槽に移動する事をオススメします。タナゴの産卵が成功するかどうかは、二枚貝をどれだけ安定して飼育することが出来るかにかかっているので、心配な方や二枚貝と扱いに自信がない方はタナゴが産卵する直前に、専門店で二枚貝を購入するようにすることをオススメします。

シロヒレタビラを飼う際の注意点

シロヒレタビラは、銀白色を基調として体の後方に青緑色と薄紫色の縦筋がある川魚になります。またシロヒレタビラは日本の固有亜種に属します。また場所によっては絶滅危惧になっている種類になります。春頃になるとオスにだけ黒くて青紫の非常に美しい婚姻色を出しとても美しいです。また昔ながらの日本の生態系を考える上では必要不可欠な存在なので教育の面においてもとてもオススメの川魚になります。もしシロヒレタビラに興味がある方は、ぜひ一度専門店などで見てみることをオススメします。