大阪らんちゅうはランチュウや南京などの品種と同じく丸子(マルコ)をルーツに持つランチュウ系統の中でも古い分類にはいる金魚です。今回は、大阪らんちゅうの特徴と飼い方を詳しく説明していきたいと思います。
大阪らんちゅうとは
大阪らんちゅうは、ランチュウや南京などの品種と同じく丸子(マルコ)をルーツに持つランチュウ系統の中でも古い分類にはいる金魚です。大阪らんちゅうの最大の特徴は、厳しい規定にあります。例えば、体長を10とすると胴幅は6.5以上を基準にしておりかなりの太身の条件を要求されます。また、肉瘤はあまり出ないことが望ましく鼻孔に関しては、鼻孔褶(びこうしゅう)を持つがあまり大きすぎないほうがいいことなど事細かな規定が存在しています。当然、それら全てをクリアする個体というのはなかなか存在するものではないので現在は大阪らんちゅうの理想形の条件という位置づけになっています。
蘭鋳はオランダ獅子頭などと同じように頭に発達した肉瘤を持つ金魚なのですが、他の金魚と違い背びれがないのが特徴な金魚です。今回は、蘭鋳の特徴と飼い方を詳しく説明していきたいと思います。 蘭鋳とは 蘭鋳(ランチュウ)は、[…]
南京はランチュウのように背びれがなくお腹周りも丸いが、頭部の肉瘤がないという特徴を持った金魚です。今回は、南京の特徴と飼い方を詳しく説明していきたいと思います。 南京とは 南京は、ランチュウのように背びれがなくお腹周[…]
大阪らんちゅうの成り立ち
大阪らんちゅうは、どの時代に誰がどのように生み出され飼育が始まったのかを記載した古文書や資料などがなく現在も謎に包まれています。しかし、江戸時代の1862年(文久2年)に大阪で開催された最古の金魚品評会(浪花錦盛会)の記録(金魚養玩草・浪花金魚会見立鑑)が存在しており、その品評会での品評対象が大阪らんちゅうだったのです。余談ですが、その品評会が行われる以前は大阪らんちゅうを模様金魚、ランチュウを無地金魚と呼んでいました。それらのことから大阪らんちゅうの歴史は非常に古いことが分かります。第二次世界大戦後には、絶滅の危機を迎える時がありました。理由としては、関東ランチュウの人気が大きいです。現在ランチュウと呼ばれているものは、関東ランチュウにあたります。大阪らんちゅうは、元々規定が厳しいこともあり関西の富裕層の間で愛されていた金魚になります。それが、戦後関東から比較的安価なランチュウが入ってくるととっつきやすい一般受けしたことなどから一気に普及しました。そして、世界恐慌などからの世界経済の衰退の流れが富裕層の破綻をまねいたことなどから、大阪らんちゅうの飼育者が一気に減少しました。それにより、大阪らんちゅうの生産者も一気に需要がなくなってきた大阪らんちゅうをやめて、戦後需要が増えてきた関東ランチュウの生産にシフトしていったことで大阪らんちゅうの規模がどんどん縮小していきました。その後、一度大阪らんちゅうは絶滅してしまいました。絶滅した後、奈良県大和郡山の西川金魚農場が関東ランチュウと南京を交配させてさらに、尾びれに特徴がある土佐金などを交配させることで大阪らんちゅうに近づけていきました。現在でも、西川金魚農場では後継者の人が大阪らんちゅうの復元に取り組んでいます。
金魚といえば、夏に縁日や祭りなどで、見る金魚すくいの金魚が金魚だと思っている方がとても多く金魚に沢山の種類があることを知っている方は非常に少ないでしょう。そして金魚一種類一種類に特徴があり、金魚の醍醐味がそこにあると言っても過言では[…]
大阪らんちゅうの楽しみ方
大阪らんちゅうの楽しみ方は、肉瘤があまりない頭部やランチュウに比べて丸みを帯びている体型です。そのために水槽などで横から観賞する方法(横見)より鉢などに入れて上から見る方法(上見)のほうがオススメです。上見で鑑賞することで、ランチュウとは違う大阪らんちゅうの特徴を味わうことができ、美しい模様や尾びれの開きなどを確認して自分なりにどの規制をクリアしているのかを考えるのも一つの楽しみ方です。また、横見で鑑賞することで背びれがないことや肉瘤が出ていないのかを観察するなど上見とまた違う視点で大阪らんちゅうを楽しむことができるのでオススメです。
混泳させる際のポイント
他の金魚などと混泳させる際に何の種類が良くて何の種類が良くないのか不安になることがあります。まず、金魚全般に言えるのは他の種類と混泳するときにこれとこれは絶対にダメであるという禁止は存在しません。ですので、飼う金魚の性格や環境などによってはダメだと言われている種類同士でも仲良く生きていることもあります。ただ、金魚同士にも相性というものはあります。相性が悪い金魚同士を入れた場合に、すぐに喧嘩をしたり、または片方の金魚だけがエサを独占してしまう可能性が高くなります。なので、あまり相性が悪い金魚同士を入れるのは避けるべきではありますが、最初に説明したとおり金魚同士に禁止は存在しませんので、どうして混泳させてみたい方は混泳させても良いのかもしれません。では、和金と相性がいい金魚と相性が悪い金魚の説明をしていきます。
相性のいい金魚
大阪らんちゅうと最も相性がいい金魚は、蘭鋳(ランチュウ)や江戸錦(エドニシキ)などのランチュウ型の金魚です。大阪らんちゅうという品種は泳ぎがとても苦手な品種であるので同じく泳ぎが苦手なランチュウ型の金魚であれば、エサを先に食べられることや他の金魚に追われてストレスを感じることが少なくて済むのでオススメです。
・蘭鋳について
・江戸錦について
・ランチュウ型について
相性が悪い金魚
大阪らんちゅうと相性が悪い金魚は、和金(ワキン)やコメットなどの和金型の金魚です。和金型の金魚は、動きが機敏で短期間で大きくなる種類が多いです。もし和金型の金魚と混泳される際には、大阪らんちゅうがエサなどを他の和金型の金魚に食べられて、体の差が離れていく可能性があるので気をつけるようにしてください。
・和金について
・コメットについて
・和金型について
大阪らんちゅうを飼う際の注意点
大阪らんちゅうは、飼い方などはランチュウとあまり変わりません。ランチュウと大阪らんちゅうはもともと、姿や形などを楽しみのがランチュウで柄や色などを楽しむのが大阪らんちゅうという位置づけにありました。しかし、現在ではランチュウ自体も細分化してさまざまなランチュウ系統の品種も増えてきて大阪らんちゅうの知名度は高いとは言えない現実があります。しかし、大阪らんちゅうの愛好家の方や西川金魚農場の尽力で現在も復元に取り組まれています。大阪らんちゅうは、流通量としては非常に少ないです。もし興味がある方は、大阪らんちゅう愛好会などに連絡をとって入手してみるのをオススメします。